大きな病気を診断されると、誰もがショックを受け、動揺して思考が混乱してしまうことでしょう。家族や周囲の人たちは、「きっとわたしたちよりも患者本人はもっと辛いはず。わたしたちの想像を絶する苦しみに常に悩まされているに違いない」と考えます。
たしかに、病気の症状によっては、気持ちが沈んだり、身体が辛いことも多いでしょう。しかし、人間というものは、ひとつの気持ちをずっと持ち続けるということはできません。しばらくすると、動揺や混乱も治まり、自分の置かれた状況に慣れ、普通に日常生活を送れるようになります。もちろん、気の緩む瞬間や、楽しみを感じる時間もあります。そのため、家族や周囲の人たちが患者さんのためにできることは、今までの日常にほんの少しのプラス(気配り)を加えるということでしょう。
大きな困難(病気)に対して、ある程度落ち着いて、気持ちが整理できるまでには、長い時間がかかります。最初の数週間を過ぎると、なんとか日常生活は送れるようになりますが、病気の症状や、身体のコンディションによっては、患者さんの心や気持ちは、さまざまに変化します。怒りや悲しみ、絶望感などが急に湧いてきたり、なにもかもが嫌になったりして、つい愚痴や不安を口にしてしまうこともあります。また、逃げ出したいと思うこともあるかもれません。そんなときは、患者さんの話をじっくりと聞いてあげましょう。このとき気をつけないといけないのは、「答えを探そうとしないこと」です。ついアドバイスのつもりで、解決策などを提案してしまいがちですが、患者さんが必要としているのは、「話しを聞いてくれる人」です。悩みや不安、苦しみや心の痛みなど、人に話すことによって、自然と自分で受け止められるようになります。そのため、家族や周囲の人たちは、患者さんの気持ちを受け止め、その心に寄り添ってあげてください。
家族や親しい人が「大きな病気」だとわかったとき、多くの人が無力感にさいなまれます。「苦しんでいる人のために、自分がやってあげられることはなにもない」と考えてしまいがちですが、実はそんなことはありません。たとえば、病気に関する「情報集め」があります。どういった病気なのか、治療法はどういったものがあるのか、金銭面でサポートしてもらえる制度はあるのかなどなど、調べることはたくさんあります。不安を軽減するためにも、ネットや書籍、講演会など、情報を集めて、自分たちになにができるかを考えることが大切です。もし調べた内容に疑問などがある場合は、主治医に聞いてみてもいいでしょう。
家族支援専門看護師とは、「看護」の分野を超えて「コーディネーター」、「コンサルテーション」といった役割を担えるのも大きな魅力でしょう。家族の在り方はさまざまで、その多様さに合わせた看護ケアを行うことは、とても困難でありながら、やりがいのある仕事と言えるでしょう。資格を取得し本格的に活動を始めてからが、この家族支援専門看護師としての腕の見せ所と言えるでしょう。続きはコチラ
家族ががんになったとき、ほかの家族の考えるべきこととはなんでしょうか?まず、家族が「がんの告知」を受けると、患者も家族も落ち込みや不安、心配など、精神的に大きなストレスをかかえることになります。入院となった場合、患者の身の回りの世話を誰がするのかなどの分担を決めなくてはいけませんし、家族の中で入院した家族をどのように分担するのかを決める必要があります。続きはコチラ
日本には「健康保険」と「高額療養費」という制度がありますので、医療保険に絶対に加入した方がいいとは言えませんが、全ての場合で健康保険が使えるわけではありません。先進医療が必要になった場合には、数百万円の自己負担が必要になる可能性もありますので、こういったことを考えると不足分を民間の医療保険や共済に加入して補う方法を考えるのもいいでしょう。続きはコチラ