家族の病気を理解しよう

まずは理解してサポートする

まずは理解してサポートする

心の病気を考えるとき、その知識がない家族や周囲の人間は、その患者自身の心が全て病んでいるように考えてしまいがちです。しかし、病気の部分は、患者自身の一部にしかすぎないのです。たとえば、一般的な身体疾患の場合であれば、病気の部分と健康的な部分を分けて考えやすいでしょう。これが、心となると、目に見えない分、ついそれが患者自身の全てと思い込んでしまうのです。

病気と患者本人とを分けて考える

要するに、患者本人は、病気の部分と、正常な部分の、二つを併せ持っているのです。この考えをしっかり持っていなければ、病気のために生じていることを、患者本人の性格の歪みからきていると勘違いしてしまったり、病気だからなにもできないと決めつけて、過干渉や過保護になってしまいます。大切なのは、患者本人の正常な部分と病気の部分を、しっかりと区別することです。それによってどの部分をサポートすればいいのかを見極め、適切な対応をとるようにすることです。

日常生活のしづらさを理解する

身体に障害を抱えているような場合には、日常生活のしづらさというのは、一目見て分かります。しかし、心の病気を患っている人の場合、日常生活のしづらさというのは、なかなか理解できないものです。そのため、家族や周囲の人たちは、「病気になる以前にはできていたことが、今はできなくなった」などのことにうっかり目を向けてしまいがちです。ですが、病気によって阻害されている部分を見極め、日常生活のしづらさを理解することが必要となります。とくに、症状が回復期になると、家族や周囲の人たちは、病気になる以前の状態に戻ることを期待し、同じレベルを求める傾向にあります。しかし、そのことは逆に患者本人にとっては大きな負担となることがありますので注意が必要です。患者本人の生活のしづらさをしっかりと理解し、無理なくできるレベルを把握することが大切でしょう。

身の回りのことは患者本人ができるようにサポートする

家族や周囲の人たちが、「生活のしづらさを理解」「無理なくできるレベルを把握」できたら、患者本人ができることはなるべく自分でするようにサポートしましょう。とくに家族は、過保護になってしまい、世話を焼きすぎる傾向にあります。しかし、患者本人ができることにまで手を貸していると、世話をしてもらうことが当たり前になってしまいます。回復の過程において、身の回りのことを自分ですることも治療に繋がります。病気が治ってから自立的生活を考えるのではなく、病気の回復過程から自立を目指すことが大切なのです。

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