ご家族が認知症になってしまった場合、その変化に戸惑い、混乱し、時には怒りを覚えてしまうこともあると思います。
しかし、苦しみや不安を抱えているのは、認知症を患うご本人も同じです。介護者の心の負担を軽くすることも大切ですが、同時に、ご本人をどのように支えられるかを考えてみることも重要でしょう。ご本人にとって優しく、ご家族にとっても気持ちの良い認知症介護をしていくために、認知症の方と上手く接するためのコツをご紹介します。
記憶力や理解力、判断力が低下しているご本人にとって、周りの出来事はすべてがせわしなく感じられます。そんな中で、「何回言えば分かってくれるの」と、認知症の方を責めるような言い方をしてしまうと、余計に混乱や苛立ちを生じる結果になり、ますます理解が遅くなってしまうでしょう。 では、どう接するべきかというと、ゆっくりとしたペースでの動作、会話を心がけることです。短い文なら理解できるという場合は、1つひとつの文章を短くし、丁寧な伝え方をすれば分かってもらいやすくなります。
人には、相手の表情や仕草から感情を読み取り、それに自分の感情を合わせる、「情動推察」という能力がありますが、これは認知症になっても簡単に失われることがありません。むしろ、言語による情報が受け取りづらくなってしまった認知症の方は、相手の感情に敏感になりやすく、この能力に優れていることが多い傾向にあります。 ですから、認知症の方と接するときは、できるだけ優しい感情を見せたり、共感してあげたりするようにしましょう。すると、不安や怒りを感じていた認知症の方も、介護者につられて穏やかになっていくはずです。
上記の通り、コミュニケーションは、言葉だけではありません。人は、常に五感による情報を受け取っているからです。たとえば、「声に感情を付ける」「豊かな表情で、身振り手振りを交える」「ご本人が嫌でなければ優しく触れる」といったことを意識すると、認知症の方とも意思疎通がしやすくなるでしょう。 また、ケアを行うにあたっては、ご本人が好きな音楽をかけてみる、優しくハンドマッサージをする、一緒におやつ作りをする、といった感覚刺激の工夫をしてみるのも有効です。
認知症の症状の1つに、被害妄想があります。たとえば、誰も何もしていないのに「財布を取られた」と思い込み、対象となる相手や周りにそれを訴えるなどです。こういったことがあると、周囲はショックや怒りを覚えてしまうかもしれませんが、怒ったり否定したりせずにゆっくりと共感し、話を聞いてあげましょう。 なぜなら、こういった被害妄想は、現状に対する抗議や、助けを求めるサインかもしれないためです。先に挙げた例でいうと、財布をどこに置き忘れたのか分からなくなってしまったが、認知症の症状を認めたくないという不安から、「誰かが盗った」と認識したのが原因と考えられます。 認知症の方が、被害妄想を訴え始めたら、その内容の裏にある「不安な気持ちを知ってほしい」「一人の人として扱ってほしい」というメッセージに気づき、理解し、尊重してあげることが大切だと言えるでしょう。
家族支援専門看護師とは、「看護」の分野を超えて「コーディネーター」、「コンサルテーション」といった役割を担えるのも大きな魅力でしょう。家族の在り方はさまざまで、その多様さに合わせた看護ケアを行うことは、とても困難でありながら、やりがいのある仕事と言えるでしょう。資格を取得し本格的に活動を始めてからが、この家族支援専門看護師としての腕の見せ所と言えるでしょう。続きはコチラ
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日本には「健康保険」と「高額療養費」という制度がありますので、医療保険に絶対に加入した方がいいとは言えませんが、全ての場合で健康保険が使えるわけではありません。先進医療が必要になった場合には、数百万円の自己負担が必要になる可能性もありますので、こういったことを考えると不足分を民間の医療保険や共済に加入して補う方法を考えるのもいいでしょう。続きはコチラ